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 2015年6月5日、ロボット産業に新たな歴史の1ページが追加された。

 アメリカ・カリフォルニア州のロサンゼルス郊外、ポモナ市内フェアグランドに、世界各国から最新鋭のロボットが集結。優勝賞金200万米ドル(1ドル125円換算で約2億5000万円)を目指して競う、災害救助ロボットの競技会「DARPA Robotics Challenge(DRC)」の決勝(ファイナル)が開催されたのだ。

 大会を主催するDAPRA(ダーパ)は、米国国防総省(ペンタゴン)が管轄する研究機関だ。「Defense Advanced Research Projects Agency」の略称で、日本語では「国防高等研究計画局」と訳す。

 そのDARPAの設立はいまから58年前の1957年。当時は、アメリカとソビエト連邦による“冷戦”時代の真っ只中。アメリカとしては、軍事体制の強化のため、近未来での軍需利用を念頭に置いた最新鋭技術の開発が必然だった。同時期に設立されたNASA(連邦航空宇宙局)は、アポロ計画を推進したため、アメリカ国内はもとより、日本を含めて世界各国で知られた名前だ。一方、DARPAはIT(インフォメーション・テクノロジー)の基盤を作り、インターネットやGPSなど、軍需から民需への転換された基礎技術の研究開発を行ってきたが、DARPAという名称はNASAと比べて世界的になじみが薄い。

 それにしても、国防総省系の研究機関がなぜこの時期、高額賞金のロボットコンテストを行うのか?

 その理由としては産業としての可能性と、“あるきっかけ”がある。

●2000年代に実施した自動運転コンテストの波及効果

 1990年代以降、アメリカとソ連の冷戦時代が終わり、DARPAの役割が変化していった。“軍需ありき”から、“軍需から民需への転換”を強く意識するようになったのだ。そうした中、賞金コンテストとして初めて行われたのが、クルマの自動運転競技だった。

 それが2004年と2005年の「DARPA Grand Challenge」と、さらに2007年に開催した「DARPA Urban Challenge」だ。前者はカリフォルニアとネバダの州境の砂漠地帯で実施し、2004年は全コースを走破した競技車がなかったため、翌年に再度開催することになった。後者はカリフォルニア州内の米空軍基地跡を利用し、家屋や信号機を仮設して都市の交通状況を想定したものだった。

 こうした3回の賞金コンテストに参加した大学の研究者らが現在、民間企業に転じて量産型の自動運転車の技術開発リーダーを務めている。具体的には、スタンフォード大学、カーネギーメロン大学、MIT(マサチューセッツ工科大学)などの大学をはじめ、グーグル、アップル、アマゾンなどのIT産業、また自動車の大手サプライヤーではドイツのコンチネンタルやボッシュで従事している。

 また、グーグルカーなどのルーフ部分でクルクルと回る奇妙な機器として知られる、レーザーレーダー(通称:ライダ—)は、ヘッドフォンなどの音響機器の製造販売を主業としていたVelodyne(ヴェロダイン)の創業者が、DARPA Grand Challengeに参加する際に製作したプロトタイプが原型だ。

 2004年のDARPA Grand Challenge終了後、他の競技参加者や自動運転に関心のある世界各国の自動車関係者から問い合わせが殺到。ヴェロダインは世界的なライダーメーカーへと進化した。現在、日本、アメリカ、ヨーロッパの自動車メーカーの自動運転実験車の多くが、同社のライダ—を使用している。

 DARPAとしては、ロボットについても自動運転車と同様、大規模な賞金コンテストの開催が民需への普及を後押しするものと考えたのだ。

●東日本大震災での教訓

 開催理由の“きっかけ”となったのは、「FUKUSHIMA(福島)」だ。DRCのWebサイトでは、「福島第一原子力発電所での災害を教訓として、大規模な災害で人間が現場で作業できない環境がある場合を想定したロボットコンテストを行う」としている。

 2011年3月11日の東日本大震災発生後、アメリカ太平洋軍司令部が中心となり災害地での自衛隊の救助活動などを支援する「トモダチ作戦」が行なわれた。同年4月末時点で同作戦は修了したが、DARPAとしても独自の支援活動を考慮し、福島第一原子力発電所内の現状調査を行う目的でアメリカ製の3機のロボットを現場に投入した。だが、3機ともに必要とされたタスクをこなすことができなかった。なぜなら、現場では臨機応変に多目的なタスクをこなすことが必須だったが、3機の仕様は適合しなかったのだ。

 そうした“苦い経験”を基にDARPA内で、新しいコンテストの可能性の協議が始まった。FUKUSHIMAのような厳しい条件の災害現場を想定したコンテストだ。それがきっかけとなり、自動運転車のケースと同様に、民需での研究開発が加速することを期待したのだ。

 今回の大会会場では、競技と並行してエキジビションが開催され、そのなかには、地震と津波の影響で破壊された東日本大震災の被災地の様子、またタヒチやフィリピンを襲った超大型台風による惨状が再現されていた。

 本大会の開催中、DARPA側は競技の実施理由について「大規模災害の際の復旧を、より短期間に効率的に、そして安全に行うことが目的」と繰り返し説明した。他方で、日本の含めたマスコミのなかには目的として「米軍のロボット戦士開発促進」を挙げる場合がある。

 DARPAの設立理由が、アメリカのナショナルセキュリティ(国防)である限り、そうした軍需利用について全面的に否定することは不可能だ。だが、今回の現地取材を通じて、筆者は軍需ありきとは思えなかった。少なくともロボティクスチャレンジを企画運営しているDARPAのチーム、及びそれをサポートする産学官の関係者からは「被災地で役立つモノを」という強い意思を感じたからだ。

●タスクは8つ、制限時間は1時間

 DRCは2012年10月に開催が決定。フェーズ1では世界各国から115件の応募があり、ロボットの仕様について書類審査を行った。続いてトライアルが2013年12月、フロリダ州マイアミ郊外の自動車競技場・ホームステッドスピードウエイで開催された。アメリカ、日本、韓国などから16チームが参加。日本の東京大学からスピンアウトした「SCHAFT」が最高得点を挙げた。

 そして行われたファイナルでは、トライアルでのコース設定を参考として、多くの改善が行われた。

 競技会場は、ローカルの競馬場を使用。観客とマスコミ関係者がグランドスタンドで見守るなか、楕円形のコースの内側に4チームが同時に競技をするため、同形状の4コースが設置された。グランドスタンド側から見て、右からブルー、レッド、グリーン、そしてイエローの4つだ。

 タスクは8つある。第1は、クルマの運転。POLARIS製の小型四輪駆動車「RANGER XP900 EPS」(排気量875?)を運転し、1ケ所のクランクコーナーを含む直線路を通過する。第2は、クルマからの自力で降車すること。第3からは室内の想定で、ドアノブを使ってドアを開けて室内へ入ること。

 第4は円形のバブルを360度回転させて閉めること。第5は電動ドリルを使用して壁に円形の穴を開けること。第6は“サプライズ”とされ、開催2日間それぞれで違ったタスクが設定される。第7は不整地、またはガレキを想定した小さい障害物を乗り越えること。そして第8のタスクは、4段の階段を登ることだ。

 これら8つのタスクを制限時間1時間以内にこなす。タクスをクリアするごとに1ポイント入り、最高得点は8ポイント。8ポイント獲得チームのなかでは、完了時間が短いほど上位となる。

 また競技の途中、ロボットが制御不能、または転倒して競技が続行不可能となった場合、チーム関係者がコース内に入り修正することが可能だ。その場合、ペナルティとして10分間競技に復帰できない。また第1タスクの途中で競技を一時中断する場合は、スタート地点へ戻る。また、第3タスク以降で競技を一時中断する場合はドア手前の位置まで戻るが、それまで獲得したポイントは有効となり、残りのタスクを通過すれば良い。

●各国チーム、それぞれの特徴

 今回の決勝に参加したのは23チーム(エントリーは24チームだったが、1チームが棄権)。半数近くがトライアルに参加しているが、残りの半数は初出場である。

 日本からはNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の支援を受けた4チームを含む5チーム。各チームは東京大学の研究室を主流とした、教育機関で構成された。

 アメリカからは、自動運転車の「Grand Challenge」および「Urban Challenge」でも上位につけたカーネギーメロン大学とMITを筆頭に、NASAの支援を受けた民間研究所などから12チーム。韓国からは、国立技術系大学のKAISTを含めた3チーム。ヨーロッパからはドイツから2チーム、イタリアから1チーム。そして香港から1チームの合計24チームである。

 ロボットの種類は多様だが、MITを含むアメリカ6チームは、ロボット開発のベンチャー企業「ボストン ダイナミクス」が開発したヒューマノイドロボット「ATLAS(アトラス)」を使用した。これはトライアルの獲得ポイントでトップ8までのチームに対する特典で、チーム側から要請があればDARPAが所有するアトラスを決勝まで無償貸与するもの。アトラスという完成度の高いハードウェアを得たチームとしては、ソフトウェアによる差別化を図る戦略だ。

 また韓国では、KAISTが主導して開発した汎用機「HUBO(ヒューボ)」があるが、ファイナルではラスベガス大学とKAISTのみが利用した。

 一方、ハードウェアから独自開発したロボットのなかでは、カーネギーメロンの「Tartan Rescue (タータンレスキュー)」やドイツの「Nimbo Rescue (ニンボレスキュー)」が、機動力に優れた設計思想に対して前評判が高かった。

 そして日本勢は全チームが個別に開発した。東京大学「HRP2」や、その後継モデルを投入したNEDO-JSK「JAXON」の完成度が高いと話題となった。だが、今回日本からの出場した5チームはトライアルの後にファイナル参加を決めており、準備期間が短いなか、どこまでの仕上がりを見せるかが注目された。なお、トライアルで最高得点を挙げたSCHAFTは出場しなかった。同社が2013年、グーグルに買収されたことが原因と推測される。

 本稿後編では、2015年6月5〜6日に行われたファイナルの模様、さらに7日を行われたファイナルのトップ3チームが技術詳細を説明するワークショップについて紹介する。

(後編に続く)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150609-00000123-it_monoist-bus_all
※この記事の著作権は配信元に帰属します。



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プロフィール

原発見守り人

Author:原発見守り人
南相馬市に親戚がいる40既婚男です。
毎年車で遊びに行くので、福島第一も第二もドライブ途中の風景でした。
それが今では日本全体を揺るがす場所になってしまったとは今でも信じられません。
原発情報を発信しながら早く平和な土地に戻ってくれることを切に願っています。
(写真はアクアマリンふくしまのシーサー君)


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