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ホーム   »  2013年07月02日
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日本のフェミニズム・アート史としても貴重な一冊

本書は、国内外の第一線で活躍してきたアーティスト、イトー・ターリによる初の自伝的エッセイである。イトー・ターリはラテックス・ゴム素材をもちいて、表皮や皮膚へのこだわり、セクシャリティなどをテーマとするパフォーマンスを行なってきたことで知られる。パントマイムをはじめた学生時代や、単身渡欧した頃の話、パフォーマンスの手法を獲得して以降、発表された作品と現在までの活動を写真と文章(対英訳付)で振り返る構成になっている。

70年代以降のアーティストの足跡をたどっていくと、テーマとの距離やアプローチが少しずつ変容してきていることに気づく。レズビアンとしてカムアウトした 《自画像》を含む、セクシャリティを扱った一連の作品では、「私」自体が焦点化されていたが、最近の作品では日本軍「慰安婦」問題、沖縄の米軍基地と性暴力、原発事故と放射能の問題への応答が試みられ、「私」は他者や奪われた声の存在に耳を傾け、行為するための場となっている。

以前、個人的にお話をうかがう機会があったとき、パフォーマンス・アートの魅力について「観客は傍観することは許されない。触発しあったりぶつかりあったりできるところ」だと語り、オノ・ヨーコの《カット・ピース》に触れたのが印象的だった。オノが衣装を切り取るハサミを手渡し、観客に出来事の目撃者であるのみならず、いかに行動するのかを問うたように、イトー・ターリにとってのパフォーマンスもまた、観客を当事者として問題に引き入れる真剣勝負の場なのだ。

また、本書を読むことは各時期の日本のアート・シーンに出会い直すことでもある。とくに日本のフェミニズム・アートを牽引したafaやWANの活動、アジアや欧米の美術界との積極的な交流についても語られており、フェミニズム・アートやソーシャル・アート、アジアの現代アートなどに関心のある読者にもおすすめの一冊だ。

【EXHIBITION INFORMATION】
『アートエキシビション Rainbow No Nukes 「ボクらの世界には、原子力発電所もホモフォビアも、いらない」』
7/6(土)〜15(月)10:00〜18:00 ◇初日14:00〜 ◇最終日〜17:00 ◇木曜日定休
会場:ランプ坂ギャラリーギャラリーランプ3

http://www009.upp.so-net.ne.jp/ccaa/jp/


(text:三宅美千代 intoxicate vol.104掲載)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130702-00010004-tower_r-musi
※この記事の著作権は配信元に帰属します。



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プロフィール

原発見守り人

Author:原発見守り人
南相馬市に親戚がいる40既婚男です。
毎年車で遊びに行くので、福島第一も第二もドライブ途中の風景でした。
それが今では日本全体を揺るがす場所になってしまったとは今でも信じられません。
原発情報を発信しながら早く平和な土地に戻ってくれることを切に願っています。
(写真はアクアマリンふくしまのシーサー君)


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